世界遺産・中国・九寨溝

世界遺産・中国・九寨溝
世界遺産・中国・九寨溝

九寨溝は、日本ではあまり知られていない観光地ですが、言葉が出なくなってしまうほど美しく、世界自然遺産にも登録されている景色が広がる、観光客の多い場所になっています。九寨溝の名前の由来は、「溝」と呼ばれる渓谷に、「寨」と呼ばれるチベット族が暮らす村が9つあることから付けられたと言われていて、現在でもアバ・チベット族チャン族自治州となっています。

チベット族の間に、「山の女神が天界から落とした鏡が、108つに砕け散って湖になった」という伝説が残っているように、光の加減や季節によって、様々な美しい風景を、湖が鏡のように映し出し、思わず息を呑むほどの景観が作り出されています。そのような美しい景観が何箇所もあり、1日では回り切れないほどです。無料で見られる観光名所も多く、九寨黄龍空港から専用のバスで行けますので、交通の便も良くなっています。九寨溝は、片道30km以上ある広大なエリアですが、専用バスの1日フリー乗車券を利用すれば、様々な場所を回れます。

非常に広大なエリアですので、どのような場所を見たいかをある程度絞っておいた方が良く、青色が美しい水や鏡のような湖を見たい場合は、熊猫海、五花海、鏡海、老虎海、樹正群海、長海、火花海、犀牛海などを無料で見ることができます。同じ湖でも、日本の棚田のような感じになっていて、非常に幻想的な場所を見たいのであれば、五彩池に行くと良いでしょう。他には、葦とのコントラスが美しい芦葦海も、無料で見ることができます。また、滝も多く、幅が広く美しい滝であれば諾日朗瀑布、水量が多く、迫力のある滝を見たい場合は珍珠灘瀑布、樹木など周りの景色とのコントラスが見たい場合は樹正瀑布などが良いでしょう。このような景色は、季節ごとに違う表情を見せてくれますので、一度訪れただけでは満喫したとは言いがたく、違う季節に何度も訪れたくなる観光地になっています。

また、九寨溝には有料エリアがあるのですが、その中にはチベット族の方が、実際に生活している場合もあり、チベット族独特の木造建築の民家が、公開されている「九寨溝民族文化村」もあり、チベット族の生活の様子や、マニ車、ルンタ、タンカなどのチベット・ボン教独特のものなども、見ることもできます。景色を見るだけでも、行く価値のある観光地ではありますが、日本にいてはあまり知ることができない、チベット族の生活も見ておくと、忘れられない旅行となるでしょう。