上海は、中国の歴史上、重要な意味を持ち、その歴史を見ることができる観光地にもなっています。アヘン戦争で清が敗れたことで、イギリスが上海を買い受けて、自国の法律や習慣、文化を育んできました。さらにその後は、アメリカやフランスなども上海に租界を設定し、これにより上海は、外国人居留地として租界時代を迎えました。その租界時代の影響による建物や公園などが、上海には多く残っています。
その租界時代の象徴とも言える観光地が外灘です。外灘は、上海の窓口である「黄浦江」の隣ということもあり、列強各国が上海の政治や金融、文化の中心として集まっていました。現在でも、その建物の多くが残っていて、様々な国の建物を見ることができます。しかも、違う国の人々が設計し、違う時期に建てた上に、現代風建築もあるにも関わらず、不思議と統一感があり、美しい景色となっています。交通の便もよく、地下鉄の「南京東路」駅から徒歩10分程度で行けますので、世界でも有名な観光地となっています。
その外灘と、黄浦江を挟んだ先にある浦東を結ぶ外灘観光隧道も、観光の名所となっています。黄浦江の下を通る全長約650mの海底トンネルとなっていて、約10人乗りの無人カプセルに乗って5分程度で通過します。そのトンネル内部が、様々に色を変えるイルミネーションがほどこされていて、さらにBGMによる演出もありますので、タイムスリップをしているような感覚になれます。
「南京東路」駅付近の観光地としては、他にも黄浦公園があります。黄浦公園は、スコットランド人によって造園された外国人専用の公園で、上海初の西洋式公園でした。現在では、太極拳やダンスをする人々がいたりと、上海市民の憩いの場となっていますが、英雄記念塔や、解放戦争時の殉職者・英雄を称えたモニュメントもあり、歴史を感じさせるスポットにもなっています。また、外灘も近いので、その歴史的建造物群も見られますし、黄浦江越しに浦東地区も見られますので、ビュースポーットとしても非常に人気があります。
他にも地下鉄を利用する場合、「人民広場」駅周辺に、租界時代に競馬場として使用されていた人民公園・人民広場や、競馬のクラブハウスだった上海美術館、国宝級の展示品が多くある上海博物館、模型や写真パネルで上海の変遷を学べる上海城市規劃展示館など、色々な観光スポットが多くあります。どこも「人民広場」駅から、徒歩10分程度ですので、興味がある場所だけを回っても良いですし、ちょっと時間に余裕がある方は、全部回ってみるのも良いでしょう。