中国での風光明媚な観光地は、九寨溝以外にも桂林があります。九寨溝が色とりどりの景色であるのに対し、桂林では山水画のような風景を満喫することができます。桂林は中国南部にあり、漢民族以外にも、チワン族やイオ族、ミャオ族、トン族など36の民族が生活しています。その為、景色を楽しめるだけではなく、時期によっては、様々な民族衣装を見ることもできます。
桂林で景色を楽しむ最大の方法は、漓江下りとなっていて、桂林を訪れたほとんどの観光客が利用しています。漓江下りは、桂林から陽朔までの約83kmを、大型観光船で鑑賞する川下りで、漓江沿いの美しい景色を堪能できます。漓江沿いには、碧水が流れ、美しい山々が連なっていて、その碧水に山影が映り、心を奪われるほどの景色を見ることができます。有名な景観として、象山水月、斗鶏雄峙、九牛三州、冠岩幽境、半辺 奇渡、楊堤風光、画山観馬、興坪などがあり、途中で飽きてしまうことはありませんが、それ以外にも、途中には少数民族の村もありますので、その生活や建築様式なども見ることができます。
また、桂林は水の都とも言われていて、漓江と桃花江の2つの川と、杉湖、榕湖、桂湖、木龍湖の4つの湖があり、それらを全て繋いで桂林市内を一周できる「両江四湖クルーズ」もあります。昼間のクルーズと夜間のクルーズがありますが、特に夜間になると、四湖を無数の明かりでライトアップしますので、金塔、銀塔、木龍塔などが幻想的で、非常に綺麗な景色を楽しむことができます。
他にも桂林市街から5kmほど離れた場所に、蘆笛岩という鍾乳洞があり、唐の時代から観光客が訪れていたと言われる、桂林観光のハイライトにもなっています。岩洞の深さは240mで、遊覧コースは500mとなっていて、数多くの鍾乳石や石筍、石柱、石の花などがあり、まるで人工物のようにも思え、宮殿に入ったような感覚にとらわれる洞窟になっています。その他にも象鼻山という観光地もあります。一頭の象が鼻を伸ばして、漓江の水を飲んでいるように見えることから、象鼻山との名前が付いていて、鼻の部分は約3億年前に沈んだ石灰岩でできています。さらに象の鼻と足の間には、自然の力で作られた丸い穴があり、月の美しい夜に川面に映る穴の影が、満月のように見えることから「水月洞」と呼ばれ、桂林山水の絶景とも言われています。桂林までは、主要都市からの国内線もありますが、国際線も就航していますし、長距離バスや列車でも行けますので、他の都市と合わせて観光に行くにも便利です。